感情マーケティングとは?活用方法・事例を解説
マーケティングには様々な手法がありますが、「感情マーケティング(エモーショナルマーケティング)」という言葉はご存知でしょうか?
本記事では「感情マーケティング」について基礎的な部分から活用事例まで解説していきます。
目次
感情(エモーショナル)マーケティングとは何か?|わかりやすく解説

感情(エモーショナル)マーケティングとは顧客の感情に訴えかけることで購買行動に繋げるマーケティングの手法となっています。
感情マーケティングは日本では1999年に『感情マーケティングでお客をつかむ あなたの会社が90日で儲かる!』(神田 昌典 著)で提唱されました。元々海外では100年以上前から行われていた手法になります。
この感情マーケティングで行うアクションは2つあります。それが「チラシや広告の反応を上げる」ことと「購買心理にあった階段式の設計図」を作るということです。そして、そのアクションを行うために重要な分析方法が「ニーズ・ウォンツ分析法」となります。
それぞれについて順に解説していきます。
チラシや広告の反応を上げる
感情マーケティングではその名の通り、顧客の感情に訴えかけることで購買行動に繋げます。そのため、顧客に情報を伝えるツールであるチラシや広告のクリエイティブが非常に重要となります。
デザイン・レイアウト・文言など、顧客へ情報を伝える上でのクリエイティブをテストし、ブラッシュアップしていくことが必要です。
感情マーケティングが提唱された1999年当時は現代ほどインターネットが普及していなかったため、チラシや新聞など物理媒体で語られていました。現在ではインターネットが広く普及したことでWEB広告でも同様に反応率を上げるための工夫が凝らされています。
そして、この反応率を上げるために重要とされているのが「顧客が感じる価値を高められるか」です。
広告ではよく割引を強く打ち出すことなどが多いですが、同じ比率なら単純に割り引くよりおまけを付けたほうが顧客の感じる価値は大きくなります。
例えばネクタイ1本25%オフより、3本買うと1本無料のほうが顧客はより価値を感じるのです。
こういった形で「顧客が感じる価値」を感情に訴えかけて高めていき、購買行動に繋げていくのが感情マーケティング第一のアクションとなります。
購買心理にあった階段式の設計図を作る
感情マーケティングの第二のアクションは「購買行動にあった階段式の設計図を作る」ことです。
チラシや広告などで商品をアプローチしてもいきなり購入に繋がることは稀です。高額商品であればそれは顕著でしょう。
そういった際に重要となるのが「階段式の設計図」を作ることです。
学習塾を例に出してみましょう。月額数万円もする商品であるため、チラシ一枚を見て即決することは少ないです。こういった場面で「階段式の設計図」が登場します。
いきなり契約成立を目指すのではなく、間に一段階挟みます。学習塾なら「無料体験授業」などがわかりやすい例となるでしょう。「無料体験授業」であれば参加するハードルが大きく下がり、チラシからの問い合わせ数も大きく増えます。そうすることで最終的な全体の契約数が大きく伸びるのです。
このように「購買行動にあった階段式の設計図を作る」ことで顧客の心理的ハードルを下げ、後の購買行動に繋げることができるのです。これは「ツーステップマーケティング」とも呼ばれ、チラシなどの物理媒体やWEB広告などでも活用されている手法となります。
近年では無料でダウンロードできる「ホワイトペーパー」を使ってBtoBのビジネスの場でも問い合わせに繋げる目的で利用されています。
ニーズ・ウォンツ分析法
ここまでで解説した2つのアクションを行う手助けとなる分析方法が「ニーズ・ウォンツ分析法」となります。「ニーズ・ウォンツ分析法」は売れる切り口を見つけ出すために利用されます。
ニーズ(必要性)とウォンツ(欲求)の2軸から自社の商品を位置づけ、ニーズ・ウォンツの両方を満たす位置に移動させることで、売れる切り口を見つけることが出来ます。
例えば、ロレックスの時計はウォンツ(欲求)があります。しかし、ロレックスを持つことに対するニーズ(必要性)がありません。その状態では商品は売れません。ここでニーズ・ウォンツの両方を満たす位置に移動させることで商品を売れる状態に持っていくことができます。
ロレックスの場合はニーズ(必要性)の方がないのであれば、新たな訴求でニーズ(必要性)を感じさせれば良いのです。「ロレックスの時計は資産価値がある」や「取引を進める上でロレックスをしているほうが有利に進む」などロレックスをつけることの必要性を感じさせます。そうすることでニーズ・ウォンツの両方を満たすことができ、購買行動に繋がるのです。
感情マーケティングの活用事例

感情マーケティングは顧客の感情に訴えかけて購買行動に繋げるものであるため、基本的にはどの業界でも活用することが出来ます。
感情マーケティングを提唱した神田昌典氏の書籍では自転車メーカーから不動産、味噌メーカー、法人向けのセミナーなど様々な事例が紹介されています。
どの業界に関しても「チラシや広告の反応を上げる」ことと「購買行動にあった階段式の設計図を作る」ことで成果に繋げていました。
感情マーケティングが提唱された1999年当時と現在では環境が大きく変化していますが、広告の反応率上げる工夫は今でも多くの企業が行い続けています。
階段式の設計図に関しては、インターネットの普及によってサブスクリプションサービス等で当たり前のように実施されるようになりました。NetflixやAmazonプライム、Apple MusicやDisny+など様々なサブスクリプションサービスが最初は無料で体験することができます。
業界は違ったとしても感情マーケティングの戦略設計の部分で参考になる部分は多いかと思いますので、自身の契約しているサービスを改めて確認してみてください。そのほとんどは導入のハードルを下げるための工夫が施されているでしょう。
感情マーケティングを使った施策を行うにはどうすれば良い?

顧客の感情に訴えかけて購買行動に繋げていく感情マーケティングですが、「チラシや広告の反応を上げる」ことや「購買行動にあった階段式の設計図を作る」ことにはある程度の知識と経験を必要とします。
「チラシや広告の反応を上げる」にはデザインや心理学についての知識・スキルを必要としますし、「購買行動にあった階段式の設計図を作る」ことはマーケティングの知見が必要です。
自社内にマーケティング部などがない場合は外部の専門知識を持った代理店に依頼するのが良いでしょう。
メディアポストインフォメーションでは感情マーケティングを活用したマーケティング戦略の設計から実際のアクションまで一貫した流れで担当可能です。
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